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ブルージャスミン

ケイト・ブランシェット主演の『ブルージャスミン』を観てきました。
http://blue-jasmine.jp/

ケイト・ブランシェットはジム・ジャームッシュの『コーヒー&シガレッツ』で演じた
エレガントな成功した女性と、自堕落な生活を送っているパンキッシュな女性の
一人二役を観たときから、数少ない気になる女優です。
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ストーリーは、実業家の男性と結婚して豪華三昧セレブな生活を送っていたジャスミン(ケイト)が
夫が詐欺罪ですべてを失ったことで、あっちゅーまに転落していく物語です(わわ、救いのない・・)

血のつながらない妹を頼って、転がり込むのですが、
仕事も続かず、精神は病むばかり・・・。
ようやくお金持ちの男性を見つけて、第二の玉の輿を狙いますが・・・

ようするに徹底して転落の人生です。

ストーリー的には、エンターテイメントの要素はほとんどなく、
まあ基本ダメな人間ばかり出てくるしょーもない話です。

が、しかし、やっぱりケイトはすごい!
この映画でも、パーフェクトなレディと、高飛車でくたびれて精神の病んだ女性を見事に演じ分けていました。

ジャスミン(ケイト)は、転落後もシャネルジャケットとエルメスのバッグを持ち歩いているのですが、
まー、シャネルってやっぱりケイトのような背が高くてやせぎずの女性のためにつくられた服ですね。
ほんとに見事に着こなしていました。
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この作品で、ケイトはアカデミー主演女優賞、ゴールデン・グローブ賞等々、もういろんな賞を総なめしています。

ただ、ストーリーについてはわりと賛否両論のようで、
終わったときは、私の後ろの女性は「え、もう終わり?」って何度も言っていました(笑)。

救いもないし、決定的な最後もないので、ちょっとモヤっとした気持ちが残ります。


(ここからネタバレ注意)



この映画ではケイト演じるジャスミンは、どうしようもなく高飛車で
冷酷で、拝金主義で、自分の生き方を変えることができずに終わっていく女性として描かれています。

でも、私が見つけたたった一つの救いがありました。
最後の方にわずか1分間ほどのシーンですが、この映画のカギとなるシーン。

ハル(夫)の浮気を問い詰めたジャスミンは、
これからの生活は保障する代わりに離縁を言い渡されます。
激昂したジャスミンは、ハルが出て行ったあと、夫の不正をFBIに連絡してしまのです。
すべての転落は、ジャスミンが引き起こしたものでした。

まあ、このシーンで、私は「ジャスミンはお金目当てじゃなくってほんとうにハルを愛していたんだな」
と感じたのです。
だって、お金の面は保障するって言われているのに、夫もろとも破滅の道を選んだわけですから。

だから、転落後もつねに夫との幸せだった頃のフラッシュバックにさいなまれたし、
きっと第二の玉の輿を狙った男性をうまくだまくらかしてなんとか結婚にこぎつけても、
ジャスミンは以前のような幸せを味わうことはできなかったでしょう。

ウディ・アレン監督ですから、シンプルなストーリーであるようでいて
なにかしら含みがある作品だと思います。


これからも、知的で美しくて、優しさと賢さを感じさせる稀有な女優
ケイト・ブランシェットの作品は観つづけたいです。
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by room2room | 2014-05-15 18:00 | 映画・演劇

ブラックスワン

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ニューヨークバレエのプリマに選ばれたバレリーナのニナが
「白鳥の湖」で白鳥と黒鳥を演じ分けるために
初舞台に向けて自分を追い込んでいく物語です。

白鳥の湖といったら、もうこのテーマに尽きますね。


憧れのバレエ映画ってことで観たけれど、
バレエ以外のいろんな要素も入ってて(そしてうまく絡み合っていて)面白い。

白鳥の湖の白鳥と黒鳥は、
女性の二面性を象徴しているように思えたし、

ちょっとグロい場面は苦手だったけれど
精神的に追い詰められた人の、世界への違和感、自分の体への違和感を
よく現わしているように思えた。

また、ある域まで到達すると破たんへと傾く母娘関係の難しさ……。


一番せつなかったのは、芸術を目指す者が突き当たってしまう限界。

ニナはその限界を突き破った。それと差し替えに、自分が壊れてしまった。


これはひとつの幸せだと思いたい。

ニーチェは壮絶な人生を歩みながら
愛する女性と丘を散策したたった数時間を、生涯心の支えにし、
「あの数時間があるのなら、もう一度同じ人生を生きてみたい」と強く願ったという。

芸術でも、仕事でも、愛情でも、
どれだけ自分の高みをみつけて到達するか。

二ナほどドラマティックで崇高ではないものの
平凡な私たちでも少しでもそれができたことに喜びを見いだす。

ニナはそれを成し遂げたのだと思う。
その意味でもう存分に踊りきったのだ。




ということで、この映画は圧倒的に面白く、そして美しく、
最後の舞台のシーンなんかはもう一度観たいとせつに思う。


終わった後は友達と、

「やっぱりプリマを目指す者は孤独よ」

「群舞になるぐらいなら、プリマの孤高を…」

なんつーことを話し合った。

…誰よ?


子どものころから漫画なんかで
プリマはみんなの憧れと嫉妬と羨望を集める存在だということは
妙によく知ってる。これはもう耳年増にちかい。



まあ、バレエというのは、なんというか、女子の永遠の憧れなのよ。
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by room2room | 2011-05-16 10:44 | 映画・演劇